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手のしこり・できもの(ガングリオン・粉瘤)

関節の痛み手にしこりやできものが生じた場合はガングリオンや粉瘤、脂肪種などが疑われます。症状や大きさにより、経過観察で問題ないものもありますが、放置すると症状が悪化し、手術が必要になるものも存在します。気になるできものやしこりができた場合は、当院までお早めにご相談ください。

粉瘤、脂肪腫、ガングリオンの違い

ガングリオン ゼリー状の内容物が詰まったこぶ

ガングリオンは、ゼリー状の内容物が詰まった良性腫瘍で、主に関節周囲に発生します。比較的女性によく認められ、20~50代に好発します。サイズは米粒大からピンポン球大まであり、柔らかいものもあれば硬いものもあります。腫瘤ができても多くの場合、痛みはありませんが、形成された位置やサイズ次第では神経が圧迫され、痺れや痛みなどの症状が現れることがあります。無症状であれば経過観察でも問題ありませんが、痺れや痛みなどの症状が起こり、動作に支障が出る、衣類に引っ掛かるという場合は治療が必要です。注射針で内容物を吸引する吸引治療、腫瘤を除去する手術療法に分けられ、患者様の状態やご希望に応じた適切な治療を行います。

脂肪腫 脂肪細胞が増殖してできたこぶ

脂肪腫は皮下に発生する良性腫瘍で、皮下に発生する腫瘍のうち発生頻度が最も高いです。サイズは数mmから10cm以上のものまで様々です。首や肩、背中にできやすいですが、四肢にもできることがあります。脂肪腫自体は痛みを伴うことはなく、ドーム状に皮膚が隆起し、大きくなって神経を圧迫することで痛みが起こります。大半は幼少期に発生し、緩やかに大きくなるため数十年経過してから見つかることも多いです。小さく日常生活に支障がない場合は経過観察でも問題ありませんが、大きいものは悪性の別の腫瘍だったということも稀にあるので、一度医療機関を受診することを推奨します。なお、脂肪腫の治療は手術のみとなります。

粉瘤 放っておくと悪化する可能性があるこぶ

粉瘤はこぶの1つで、皮下にできた袋状の構造物に垢や皮脂などの老廃物が蓄積した良性腫瘍です。皮膚が内側に入り込むことでできるため、全身のどこにでもできます。
粉瘤は、巨大化する、独特なにおいを発することがあり、炎症が発生して腫れ上がり、痛みを伴うこともあります。こぶに炎症が発生している場合は粉瘤が疑われます。粉瘤は手術が必要となり、大きな粉瘤は術後に傷跡が目立つ恐れがあるので、早めに治療することがおすすめです。

粉瘤、脂肪腫、ガングリオンを判別するポイント

粉瘤とガングリオン:発生部位

ガングリオンは主に関節周囲に発生するため、発生部位からおおよそ判断できます。なお、粉瘤も関節部にできることがあるため、正確な診断のためにも気になるしこりができた際は当院までご相談ください。

粉瘤と脂肪腫:見た目・触感

脂肪腫と粉瘤は全身のどこにでもできるため、発生部位は判断材料となりません。なお、脂肪腫は皮膚の深層に発生し、粉瘤は皮膚の浅い層に発生しやすいため、見た目からおおよそ判断可能です。また、色も判断材料となり、脂肪種は肌の色と同じですが、粉瘤は中央に黒い点や全体が青黒く見えることがあります。なお、顕著な違いがないこともあるため、まずは当院までご相談ください。

独特のにおいを放つしこりは粉瘤です

粉瘤は内部に垢や皮脂などの老廃物が溜まっており、独特のにおいを発することがあります。圧迫すると、白いドロドロした内容物が漏れ出て、強い臭いを発します。また、炎症が発生した場合、内容物が漏れ出ていなくとも臭いがすることがあります。炎症の悪化に伴い、臭いが強くなっていく特徴があります。
一方、ガングリオンや脂肪腫は独特の臭いがないため、独特の臭いを感じられる場合は粉瘤の可能性が高いです。粉瘤は炎症の悪化に伴って痛みが増してくるので、臭いを感じた場合は早めに当院までご相談ください。